令和元年8月7日22時08分、浅間山の山頂火口で小規模の噴火が発生し、気象庁は、これを受け、浅間山の噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から3(入山規制)に引上げた事を発表しました。
何の前触れもない突然のニュースに、ただただ驚くと同時に、夏休み(お盆休み)を目前に控えた今、この警戒が、夏の避暑地の代名詞であり、日本でも有名なリゾート地である浅間山山麓に位置する長野県軽井沢町へ、どの様な影響を与えるのでしょうか。
もくじ
浅間山の噴火警戒レベルとは?
気象庁が発表している浅間山の噴火警戒レベルを見てみると、今回発動された『噴火警戒レベル3』というのは、対象範囲が「火口から居住地域近くまで」となっており、通常の生活を送ることが出来るものの、入山規制がなされ、今後の火山活動の推移に注意を払いつつ、状況に応じて、要配慮者の避難準備等をおこなうよう、条件がつけられている状態です。
降灰量は、火山灰が降っているのがようやくわかり、地面にうっすら積もる程度の「少量」を想定しているようですが、火口から概ね4kmの範囲では、弾道を描いて飛散する大きな噴石や火砕流が起こる可能性もあり、注意が必要です。
降灰が予想される地域
- 群馬県:嬬恋村
- 長野県:小諸市、軽井沢町、御代田町
噴火警戒レベル3となる過去のケース
火山の噴火が自然現象である以上、今後を火山活動を予測し、災害や被害の状況を予想するのは、それを専門に研究している先生方でも困難を極め、断言できることではないのですが、噴火警戒レベルが3に引き上げられた過去のケースを、参考までに調べてみたところ、
- 2015年(平成27年)6月16日 午前9時30分頃、空振を観測しない程度の小規模噴火。北から北東にかけて微量の降灰を確認。
- 同年6月19日 17時頃ごく小規模な噴火が発生。この噴火により、気象庁は浅間山の噴火警戒レベルを1から3(入山規制)に引き上げた。
という事象を見つけました。
この時の被害状況は、消防庁発表の過去資料から確認でき、16日の報告書は閲覧できるものの、19日以降(警戒レベル3に引き上げられてから)の報告書が見られないことから、16日の発表以来、状況に変化が見られなかったものと考えられ、人的にも、物的にも、被害が確認されなかったようです。
軽井沢への旅行および観光は大丈夫なのか?
今現在、浅間山噴火による被害は報告されていませんが、軽井沢町は、降灰が予想されているエリアでもありますから、夏休み(お盆休み)を目前に控えた今、軽井沢町を中心とした人気の観光スポットの現状が心配ですよね。
現地からの現状報告をまとめてみましたので、旅行や観光を計画されているようでしたら、参考までにどうぞ!
軽井沢おもちゃ王国への影響
TEL:0279-86-3515
軽井沢おもちゃ王国のHPを確認すると、8月8日現在、トップページに
と、記載されており、今のところ、通常通り営業している上、周辺の交通規制もなさそうです。
軽井沢おもちゃ王国へ電話で問い合わせてみた結果
軽井沢おもちゃ王国へ、直接電話で問い合わせてみたところ、
- 浅間山の噴火はあったものの、今(8月8日)現在、通常通り営業している。
- 噴火警戒レベル3は、火口から4kmの範囲内が警戒エリアとされていることから、火口から8km離れた当園においては、影響を受けないと判断している。
- 更に一段上がり、噴火警戒レベル4になれば、休園もあり得る。
- 休園となった場合は、公式HPのトップページでお知らせします。
との回答を担当の女性からいただきました。
軽井沢プリンスショッピングプラザ(アウトレット)への影響
TEL:0267-42-5211
今のところ、通常通り営業しており、噴火による被害の報告もございません。
軽井沢星野リゾートへの影響
白糸の滝への影響
白糸の滝(軽井沢町HPより)
長野県北佐久郡軽井沢町小瀬
TEL:0267-42-5538(軽井沢観光会館)
警戒エリアの範囲外な為、通常通り。
また、今のところ、噴火による被害や影響を受けたという報告はありません。
ただし、軽井沢町から嬬恋村の鬼押出や万座温泉方面への有料道路「鬼押(おにおし)ハイウェー」は、同町長倉の白糸の滝入口交差点から群馬県境方面が通行止めになるなど、群馬方向からのアクセスには注意が必要そうです。
まとめ
2019年8月8日現在、浅間山火口4kmの範囲内にあたる警戒エリアの外では、今のところ、人的にも物的にも、被害等の報告があがっておりません。
また、安全確保のため、警戒レベルの引き上げに伴って施行された一部交通規制や立入禁止区域が発生していることを除けば、地元の方達の生活はもとより、観光等を受け入れている施設などの営業も通常通りとなっているところばかりです。
ですが、噴火自体は自然現象ですから、いかなる時でも変化は起こり、どのような結果を生むのかを予想することは大変難しい問題でもありますので、最新の情報をキャッチし、判断材料として充分な情報量確保を心掛けることをオススメします。
一番下のリンク先(浅間山火山防災連絡事務所)は、気象庁のホームページ内にあるページなのですが、浅間山のライブ映像なども確認できるページとなっている他、定期的に浅間山の情報を発表しているので、こまめに確認することをオススメします。
追記(噴火警戒レベル引き下げ)
令和元年8月19日、気象庁は、浅間山の噴火警戒レベルについて、地下のマグマが上昇する兆候が見られないことから、噴火警戒レベル3から噴火警戒レベル2に引き下げることを発表しました。
追追記(噴火警戒レベル継続)
令和元年8月25日19時28分、浅間山の山頂火口で小規模の噴火が発生し、気象庁は、これを受け、浅間山の噴火警戒レベルを発表しましたが、灰白色の噴煙は、火口からおよそ600メートルの高さまで上がったものの、前回に比べ規模が小さいことから、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)の継続を発表しました。